モエギハコガメたちの日々の様子を綴った萌黄園長の備忘録です。           2005年に飼育を始めて2010年に萌黄園オープン。萌黄幼稚園の開園が夢です。

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CITES CoP16 附属書改正案の最終決定

第16回ワシントン条約締約国会議(CoP16,2013年3月3日~14日)でのモエギハコガメの国際取引に関する最終決定の結果が,CITES事務局のHPにアップされています。

先日紹介した会議録の速報資料と変わらぬ結果ですが,こちらの資料が正式な最終決定のプレスリリース添付資料ということかと思います。
モエギハコガメに関する議案は5ページのProposal 32と33です。

CITES_40_logo.jpg


それにしても先週までのモエギ祭(争奪戦?)はなんだったのでしょうか…。ぱたと終わってしまいました。おかげでカンボに初めてお目にかかれ,飼育を始めるきっかけにはなりましたが,ちょっとしたブームがきたものの,やはり人気のないカメであったことを改めて再認識する結果にもなりました。面白いカメなんですがね…。以前のようにまたゆっくりと,モエギたちを楽しみたいと思います。

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CITES CoP16 附属書改正案の会議録リリース

現在,タイのバンコクで第16回ワシントン条約締約国会議(CoP16,2013年3月3日~14日)が開催されていますが,この中で,モエギハコガメを含む多くのカメの国際取引(附属書改正)についての議題が検討されています。

2013年3月8日の委員会で,モエギハコガメの扱いについて決定され,3月9日午後に会議録がリリースされました。


Summary record of the ninth session of Committee I を読む限りでは…読み間違えてなければ…

中国&アメリカから出されていた改正案が採択され,下記の附属書Ⅱのカメの野生標本の輸出割当量をゼロとする

     ・Batagur borneoensis カラグールガメ
     ・Batagur trivittata ビルマオオセダカガメ
     ・Cuora aurocapitata コガネハコガメ
     ・Cuora flavomarginata セマルハコガメ
     ・Cuora galbinifrons モエギハコガメ ★
     ・Cuora mccordi マコードハコガメ
     ・Cuora mouhotii ヒラセガメ
     ・Cuora pani シェンシーハコガメ
     ・Cuora trifasciata ミスジハコガメ
     ・Cuora yunnanensis ユンナンハコガメ
     ・Cuora zhoui クロハラハコガメ
     ・Heosemys annandalii ヒジリガメ
     ・Heosemys depressa ヒラタヤマガメ
     ・Mauremys annamensis アンナンガメ
     ・Orlitia borneensis ボルネオカワガメ

しかし,ベトナムから出されていた「モエギハコガメとアンナンガメを附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行する」という改正案はリジェクト


これで,モエギハコガメの輸出が完全にストップされることになり,日本に輸入されるモエギハコガメもゼロになるはずですが,これはどれほどの効力があるのかなんとも疑わしい限りです。多少の抑止力にはなるのでしょうが…。


【モエギハコガメの2000~2010年の輸出入の状況】
citestrade2.jpg
 (CITES Trade Database より)


モエギハコガメを輸入しているのはアメリカとヨーロッパがほとんどのようですね。モエギ生息国である中国もベトナムもカンボジアもラオスも皆CITESの締約国なのですが…これまでの日本への輸入状況を見る限り,香港から2002年の14匹と2003年の110匹しか入ってきていないことになっています。モエギハコガメは,2000年7月19日以降,附属書Ⅱに掲載され,現在もこの附属書Ⅱの種なので,このリストに記録が残ると思うのですが…。そんなに少ないか?? 調べ方がおかしいのか?? う~ん,どういうことやら…あれか??(最近の輸入は正規だと聞いていますが,まだ最近のことなので,このデータベースには反映されていません。)

今回もし附属書Ⅰに昇格していたなら,国内法である「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)にも自動的にリストアップされ,「国際希少野生動植物種登録票」が付いていないものの「販売・頒布目的の陳列と,譲渡し等」は違法になるため,事実上流通はほぼ停止していたことでしょう。でも,それはなくなりました。

今回の結果を受けて,輸入量はゼロ,しかし附属書Ⅱのままでは良くも悪くも国内流通に規制がかからないため,国内にすでにいる個体が多少移動する程度で,ちょっと入手はしにくくなるものの(今のお祭り騒動が収まれば),以前と同じような状況に戻るということでしょうかね(上記①のその他のカメも益々入手難になるということですね)。モエギハコガメは(萌黄園長や同志はトリコですが)本来はここまでクローズアップされて人気が高まるようなカメではないはずです。

野生で減少しているのは事実でしょうから,次の会議(2016年,CoP17)以降でもベトナムからの再提案があるのではないでしょうか。その時までには,今回たくさん輸入されてしまったモエギハコガメたちを皆で大事に育て上げ,繁殖させて(きちんと登録して),国内CB個体が出回る状況になっていることを願ってやみません。


モエギの性別

しばらく動きのなかったラオスモエギハコガメのオス056Bです。
寒かったせいか,一人だったせいか,少しおとなしすぎて心配になってきたので,萌黄園マンションの1階から2階へお引越ししました。2階は1階よりは多少温度が高くなります(たぶん)。そして,ほかのモエギたちと同居させてみたところ,少し動き始めました。中サイズのラオスのメス055Bを狙っていました。マウントなどまではいきませんが,ゆったりじっくり付け狙っていました。寒いのか,メスがまだ小さいせいか,まだまだ本気ではありません。

で,興味深いのは,同じ空間にはクロハラモエギのアダルトサイズのメス2頭と中サイズのラオスのオス1頭がいましたが,それらにはまったく興味を示さず,この055Bにだけ反応していました。亜種の違いや性別がわかっているんでしょうかね。

P1020462.jpg
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で,モエギの性別って本当に分かりにくいってことを書いてみます。
他のブログでも話題になっていたので,みなさん同じような経験をされているんだなぁと,改めて考えを巡らせていました。他のカメではどうなんでしょうか?萌黄園長は他のカメはセマルハコガメくらいしか知らないので…。

P1020464.jpg
P1020463.jpg

①オスはオスに間違いないけど,メスだと思っているのはオスかもしれない。
 この056B(甲長18センチ)のように,わかるのははっきりして立派な尾を持っているのですが,アダルトサイズでも一回り小さいサイズだと,尾をみてもわからない。でも,これはたぶんクロハラに限った話かもしれません。ラオスのオスは中サイズでもよくわかるし,カンボも結構立派な尾を持っていました。ラオスとカンボは,クロハラに比べて,尾が結構長い印象を最近もっています。
 一昔前は,モエギは市場にオスが少ない,オスは貴重,なんて聞いて高値がついていたこともありましたが,あれは嘘です(セマルは明らかにオスが少ないですよね)。萌黄園長の感覚ではモエギ(クロハラ)の市場オスメス比は4:6か3:7くらいではないかと思います。メスっぽくても(そう言われて購入しても),しばらく飼っていると,かなりの確率でオスだったということがあります。そういう事情で,萌黄園から旅立ったオスも多数います。

②メスでもオスの行動をとる。
 ①の逆のパターン?です。行動でも予想を覆されます。行動での判断はダメです。メスはメスに対して求愛行動やマウント行動をとります。これは今までにもよくあったのですが,先日初めての経験をしました。
 先日,クロハラのメス050Gが他のメスにマウントして,さらに後肢で下のメスの尾を探っていました。まさに,交尾直前の行動でした。しかし,050Gはメスだと聞いていて,尾もさほど大きいわけでもない。メスだと信じていたのですが,この行動からオス疑惑が浮上したので,「甲羅内封じ込め性別チェック」を行いました。いくら頑張ってもアレは出てきません。これでオスだったというオチが今まで多かったのですが,今回はやっぱりメスだったようです。あの疑似交尾行動はなんの意味があるのでしょうか。


追記(3/10)
野毛山動物園の公式ブログ「のげやま レプ担当のれぷブログ!!」に興味深いことが紹介されていました。トウブハコガメ,ハミルトンガメ,リュウキュウヤマガメでも,メス-メスマウントがあるそうです。
牛でも「スタンディング発情」あるし,哺乳類も爬虫類も変わらないのかな~



腹甲

モエギハコガメの3つの亜種の腹甲を見てみよう。
 ・クロハラモエギハコガメ
 ・ラオスモエギハコガメ
 ・カンボジアモエギハコガメ

クロハラの腹甲は黒とか茶色とか,べったり塗りで,一部剥げた感じに白くなっているところも。若めの個体はべったりだけど,老齢になればなるほど白い部分が拡大しているように思います。
ラオスとカンボの腹甲は,クロハラとは明らかに違っていて,白地です。腹甲の各甲板に黒が入っています。

クロハラ003G♀
P1020409.jpg

クロハラ013G♀
P1020405.jpg

クロハラ008G♀
P1020404.jpg

クロハラ005G♀
P1020400.jpg

ラオス051B♀
P1020396.jpg

カンボ061P
P1020387.jpg


背甲はもっとさまざまです。


カンボの目が違う。

カンボジアモエギハコガメの目はなんか違う。
顔の模様は違うけど,目も違う。クロハラやラオスとは違う。

P1020210 066
(新入り066P)

P1020201.jpg
(新入り060P)

P1020220 062
(新入り062P♂)

そう,カンボの黒目は丸じゃない。
クロハラとラオスの黒目は丸 →→→ こちら
どっかで見た目。
P1020210 066up

哲郎の目や!
tetsurou.jpg

カンボの目は全部こうなんだろうか。
クロハラとラオスで哲郎目はいるのだろうか。


頭頂部に丸丸模様。

頭頂部の模様が気になったので,改めて模様のある個体を探してみました。
頭頂部に模様のあるのは珍しいような気がします。
萌黄園では,ラオス057Bと059Bだけ模様があります。
クロハラとカンボで頭頂部に模様のある個体は今のところいなかったです。

057B 模様あり
P1020134.jpg

051B♀ 模様なし
P1020136.jpg

055B♀ 模様なし
P1020139.jpg

054B♂ 模様なし
P1020143.jpg


【過去の関連記事】
  ・顔の模様の話はこちら
  ・顔の色の話はこちら
  ・目の虹彩の色の話はこちら
  ・背甲の模様の話はこちら


CITES CoP16 附属書の改正案

昨年秋から爬虫類界を大きく揺るがしている話題があります。

今更ですがワシントン条約附属書の改正案。2012年10月に公表されています。みなさん,ブログやHP等で紹介されているので,あえて触れてきませんでしたが,萌黄園にとっては大きなニュースなので大注目しています。トラフィックイーストアジアジャパンのHPには附属書改正案の和訳が先日掲載されました。

2013年3月にタイ(バンコク)で開催されるCoP16で討議されます。非常に多くのカメがワシントン条約附属書に掲載される見込みです。とはいえ,本質的な「種の保存」や「生物多様性保全」云々よりも政治的要素の強い会議で,国際間の駆け引きがあるため,どういう結果になるかはわかりません。

この中でモエギハコガメを,現在の附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行するという提案がベトナムから出されています。附属書Ⅰに掲載されれば,原則,学術研究目的以外の輸入がストップし,日本では「種の保存法」により国内流通についても規制され,ほぼ停止するでしょう(国際希少野生動植物種の登録票の交付が受けられなければ)。そうなるべきカメです。そうなってほしいと思います。

モエギハコガメの関係で,次の2つの議案が上がっています。

 ■ ベトナムからの附属書改正案(リスト70番)
     モエギハコガメを附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行する。
     Cuora galbinifronsという種名で上がっているので,
     3亜種すべてが対象になるはずです。
 
 ■ 中国&アメリカからの改正案(リスト25番)一部抜粋
     下記のカメの野生標本の商業目的の割当量をゼロとする。
     ・Batagur borneoensis カラグールガメ
     ・Batagur trivittata ビルマオオセダカガメ
     ・Cuora aurocapitata コガネハコガメ
     ・Cuora flavomarginata セマルハコガメ
     ・Cuora galbinifrons モエギハコガメ ★
     ・Cuora mccordi マコードハコガメ
     ・Cuora mouhotii ヒラセガメ
     ・Cuora pani シェンシーハコガメ
     ・Cuora trifasciata ミスジハコガメ
     ・Cuora yunnanensis ユンナンハコガメ
     ・Cuora zhoui クロハラハコガメ
     ・Heosemys annandalii ヒジリガメ
     ・Heosemys depressa ヒラタヤマガメ
     ・Mauremys annamensis アンナンガメ
     ・Orlitia borneensis ボルネオカワガメ

アジアのハコガメたちはモエギハコガメも含め,ほぼすべてが絶滅の危機に直面しています。アジアでの食材・漢方薬やペットトレードによる密猟・乱獲。萌黄園も本種を飼育している以上,それに加担してしまっていることは否定しません。矛盾を感じつつも,萌黄園にできることをやっていくしかありません。今いる個体を大切に育て,繁殖をめざし,そして飼育情報を発信する。そして,近い将来,皆でCB個体のみの流通を目指すことです。

3月のCoP16の決議の行方に注目です。

もえぎ色って。

モエギハコガメ
 英名 Indochinese box turtle
 学名 Cuora galbinifrons

亜種
 ■ クロハラモエギハコガメ(別名:ベトナムモエギハコガメ) C. g. galbinifrons
    ベトナム北部,中国(広西省,広東省,雲南省,海南省)
 ■ ラオスモエギハコガメ C. g. bourreti
    ベトナム中部,ラオス南部,カンボジア北西部
 ■ カンボジアモエギハコガメ C. g. picturata 
    ベトナム南部,カンボジア

種小名galbinifronsは「黄緑色の前頭部」の意で,本種の頭部の色彩に由来するのだそうです。
英名がIndochinese box turtle と無難な名前になっているにも関わらず,これに「もえぎ」ハコガメという和名を付けた人は素晴らしいセンスです。「もえぎ」とは,和の色(日本の伝統色)の名前です。
和名をつけたのはどなたなのでしょうか…(誰か知ってますか?)

P1010981カンボ頭
P1010980ラオス頭
P1010322クロハラ頭

さて,「もえぎ」色とはどんな色なんでしょうか?
「もえぎ」といっても「萌黄」と「萌葱」の2つの漢字があります。これらは別の色です。

和色大辞典を調べてみると,「もえぎ」と名の付く色が4色。「もえぎ」ハコガメは「萌黄」ハコガメであって,「萌葱」ハコガメではないことがわかります。

写真は上から,カンボ,ラオス,クロハラです。こうやってみると,萌黄ハコガメにふさわしいのはカンボですね。クロハラはあえて黄色っぽい頭部の個体の写真を選びましたが,バリエーション豊富なのでね。背甲が萌黄色の個体がたまにいますね。しかし,ラオスは萌黄ハコガメの名前からは一番遠いように思いました。
ちなみに,写真に写っている餌皿は偶然にも「萌葱」色でした。

もえぎ色

「萌黄」を英和辞典で引くと「yellow-green」だった。これじゃあ黄緑色と一緒やん。和な色だから仕方ないよね。「萌葱」で引くと該当語が出てこなかった。

目の虹彩。

目  

クロハラ050B♀の目 オレンジの虹彩
P1010330eye.jpg
食餌の最中で,口周りが汚れております。

ラオス051B♀の目 青(グレー?)の虹彩
P1010326eye.jpg

クロハラ008G♀の目 黄色の虹彩
P1010302eye.jpg
こちらも食餌の最中で,口周りがバナナだらけです。

アップにすると気持ち悪い…すいません。

顔色と顔模様。

顔。全部メス。
特に,メスだからこうとか,オスだからこう,というのはなさそうです。
ちなみにオスはこっち
顔の色も模様も虹彩の色もさまざま。

ラオス051B♀ ほぼ薄オレンジ,模様なし。
P1010326 051

クロハラ003G♀ 黄色一色,模様ほとんどなし。
P1010322 003

クロハラ050B♀ 黄色+グレー,模様あり。
P1010330 050

クロハラ045G♀ 黄色+グレー,模様あり。
P1010337 045

クロハラ030G♀ 黄色+グレー+赤,模様あり。
P1010341 030

クロハラ008G♀ 黄色+グレー+赤,模様なし。オカメ顔。
P1010302 008

オカメインコ
okame.jpg

ちなみに,今の温度と湿度はこんな感じ。徐々に寒くなってきています。
P1010290.jpg
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